検証・事業廃止・閉園へ:続・体験的「チボリ」考/17 /岡山

9月27日18時1分配信毎日新聞◇「イエスかノーか」迫る本家 追加投資に難色のチ社…「決裂ありうる」07年2月4日、デンマーク・コペンハーゲン。チボリ本家の公園を運営するチボリ・インターナショナル(TI)が、チボリ・ジャパン(チ社)の坂口正行社長や県幹部に示したのは、A4判3冊分の報告書だった。厚さ約2・5センチ。うち半分ほどは、写真やイラストのページだった。日本のアミューズメントパークの情勢や国際的トレンドの分析から始まる報告書は、今後の倉敷チボリ公園に必要な投資対象として10以上のアトラクションを提案していた。例えば、「幼児のいる家族向け」「年長の子供のいる家族や若者向け」など、ターゲットを絞った3種類のジェットコースター。いわゆる“絶叫型”マシンが中心だ。パントマイムシアターもあり、それらの園内での配置も指示していた。いずれも本家の公園にリーブスト社長が導入し、低迷する業績を急上昇させた実績がある。投資総額は5年間で計36億円となっていた。この思い切った追加投資の提案に、坂口社長らはこう返した。「チ社は多額の累積赤字があり、土地も借地で担保にならず、増資に応じるところはない。投資はチ社の利益の範囲内で行いたい」「絶叫型マシンは倉敷の中心にある公園には似合わない。近隣の施設には既に同種のマシンがあり、集客効果はさほど期待できない」しかし、TI側は即断を求める。「イエスかノーか、はっきりしてほしい。一部ではだめだ。その後で指定管理者制度などの議論に進む」。さらに「我々の助言の進展具合を見るため、1年間、TIの社員を倉敷に常駐させたい」と求めた。チ社側は「投資の話の後では遅い。指定管理者制度にどんな条件が付くのかわからない以上、イエスもノーもない」と反論したが、TI側は投資案への同意を強硬に主張。平行線のまま、最終議論の場は、予定されていた2月26日の倉敷での交渉に持ち越された。◇ ◇帰国後の同7日正午前、県庁を訪れた坂口社長と県幹部はチ社会長の石井正弘知事に交渉内容を報告する。「東京のディズニーランドや大阪のユニバーサルスタジオのように、本家の影響を強めたいようだ」。知事は「上下関係を強めたいのだろうが、倉敷チボリはディズニーなどとは違う」と断言。県幹部は「TI側に県への期待があるのでは」と強気な投資案の背景を推測したが、「交渉決裂もありうる」との見方は全員が一致した。◇ ◇翌日の記者会見。坂口社長と県幹部は交渉概要を説明した後、こう述べた。「指定管理者などの条例案を2月議会に提案するのは厳しい」(つづく)9月27日朝刊最終更新:9月27日18時1分

[引用元:Yahoo[岡山(毎日新聞)]]